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毎日は褻の日

もともと私はスポーツ系のアパレルの仕事に長いこと携わってきました。

スポーツウェアーというものは、普段着に比べると「特別な服」なのです。

その瞬間、瞬間のポテンシャルを最大に引き出すことを目的に作られることが基本ですが、近年はその機能を生かしたカジュアルなものが多く着用されるようになってきました。過剰な機能の付加や機能をファッションとして扱ったスポーツとカジュアルの境があまりなくなったものが増えたと思うのです。

何か新しさを、何か他とは違ったものを、と考えていくと本来の物のあり方から外れて行って、言い方は悪いですが、単なる消費の対象になってしまうのでしょう。

元々日本人には『霽れの日』と『褻の日』という独特の世界観があります。

『霽れの日』とは、特別な日ということで、昔では祝日やお祭り、お祝い事などのことですが、いまではスポーツをするときや、登山、バイクに乗る時なども特別な事に含まれるのだと思います。

要するに普段ではない時、ということになります。

『褻の日』は当然普段、ということになりますよね。

褻の日の概念は大変に質素です。質素な服、質素な食事で日々を過ごします。

今では社会全体が裕福になったことで、この境がなくなってしまったのだと思います。

霽れの日にはその時その時に必要な目的がありますので、その目的を満たすための質のものを選びます。

またオーガニックにこだわるよりも機能性を優先するでしょう。

『褻の日』の服は日常着続けられるもの、毎日着用して身体に優しく、そしてシンプルでミニマルな安全で飽きのこないものであるべきです。

そんな褻の日の服のあり方は、植物の恩恵を得ることが最も重要なことだと思うのです。

私たちの身体には、自然のものが一番合うのは当然のこと。そして環境に順応することが大事です。

これを基本理念としてBalanceを立ち上げました。

オーガニックリネンやオーガニックコットン、また、レザーやナイロンなどで安心・安全に選りすぐったものを、Balanceの商品を通して植物の恩恵を得、本来の褻の暮らしを楽しんでいただけるものにしたいのです。